☆☆☆くらすわ美幌 第10話☆☆☆☆
それではさっそく第10話。
第10話 ”風物詩”
私はですね、毎日楽しいわけですよ。
たとえば“季節行事”。
こちらでは今時期、近所の方々との会話はもっぱら“運動会の日の空模様”です。
そう、北海道では5月から6月が運動会シーズンなんですね。
最近は本州でも様々な理由から運動会を秋から春に変更しているところも見受けられますが北海道では昔から5月~6月だそうです。
いつもの職場でさえこんな会話。
20歳の先輩 『来週、姪っ子の運動会なんですよー。』
私 『へーそうなんだ。もう1歳になったんだっけ?』
20歳の先輩 『はい!もう可愛くて可愛くて!』
私 『1歳だと競技というより、歩く姿のお披露目会みたいでね、それはそれですごく可愛いよ。』
20歳の先輩 『そうなんですか!普段からちょっと油断するともうそこら中シュシュシュって移動しちゃうんでワァーッてなります!アハハ。』
・・・
相変わらず良くわかりませんが、なんだか楽しそうで平和で良かったです。
親戚一同集まり、おじいちゃんは上機嫌でほろ酔い気分、みんなで和やかにお弁当を囲む昔ながらの運動会が続けられている地域がこちらにはまだ多くあります。
率直にいいなあと思います。
札幌など道内でも関東のような授業参観的な(屋台出店禁止・場所取り禁止・子供は給食のような)運動会が増えつつあるようで残念です。
都市では失われてしまったもの、失われつつある大切なものがここにはあります。
大自然が残っていることも立派な歴史であり、誇るべき歴史的財産であると私は思います。
@@@あとがき@@@@
5月のとある日。移動中の車内での3人の会話。
観光担当の上司 『今日はでめんが多いねー。』
私 『!?』(辺りを見回す)
20歳の先輩 『天気いいですからねー。』
私 『!?・!?』(天気に関連するものを探す)
(で・め・ん?、ごめんを聞き間違えたか、あるいは路面のでこぼことか?、育メンとかの類か・・・X-MENとかは関係なさそうだけど・・・)
必死に見渡してもそこには延々と続く広大で綺麗な畑だけ。
考えてもわからないのでいつものように聞きました。
どうやら親戚や近所の方同士のお手伝い、あるいはアルバイトさんとして人を呼ぶことを“でめんさんを集めると”言うらしいです。
旅行者の皆さん、畑に車が沢山綺麗に縦列駐車していたらそれは“でめんさん”かも知れません。
雪融けし、いっせいにみんなで苗を植え、早出しタマネギなどの収穫が始まるまでのほんの少しの期間に運動会が行われています。
風になびく緑色の大地をドライブしながらそんなことを考えるのもまた楽しいもんです。
それではまた、いつの日か。