まちづくり(都市機能)の現状の課題と分析を行いました

2023年5月25日

都市機能の現状の課題と分析結果

 令和4年度から令和6年度の3年間で計画策定を進めている中、策定1年目の令和4年度は美幌町の都市機能について、現状の課題と分析を行いました。この結果に基づき、2年目以降の業務を進めてまいります。

このページでは、その分析結果(概要)について、お知らせいたします。

 

人口と世帯数

 美幌町の人口のピークは、昭和60年の26,686人がピークとして、その後は減少に転じております。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2045年には美幌町の人口は、11,858人と推計されております。

 一方、都市計画においては人口はもちろんのこと、世帯数にも着目して、計画策定を目指しております。理由は(居住)世帯数が、住居ストックと相関関係にあるからです。

 美幌町の世帯数は、平成17年の8,883世帯をピークに、その後減少に転じております(人口減少の第2段階)。空き家問題は、この頃から徐々に顕在化してきました。今後の更なる世帯分離などにより、今後も1世帯あたりの人数は減少する見込みから、将来世帯数を推計することはなかなか難しいですが、20年後の予測(都市計画・立地適正化計画の目標年次)としては、昭和40年前後の世帯数(約6,000世帯)が一つの目安と考えております。

 また、まちの活力という点では、生産年齢人口(15歳から64歳・いわゆる働き手世代)に着目すると、令和2年(2020年)の10,043人から、令和27年(2045年)には5,155人と概ね半減することが推測されており、非常に厳しい推計結果になっております。

 人口・世帯数

 

 

 

 

昭和43年の都市計画図

 美幌町の都市計画において、初めて用途地域を決定したのは、昭和43年までさかのぼります。

下記図面が当時の都市計画図で、国鉄が運営していた相生線(ほぼ せせらぎ公園、魚無川沿線)が存在し、その西側で市街地が形成されていたことが確認できます。

そして、その後の人口増加と世帯分離等により、住宅ストック不足が見込まれることから、大きくは旧相生線よりも東側に住宅などが広がることを想定した計画になっております。

その後、世帯数は大幅に増加し、現在の状況となっていますが、人口は上記のとおり昭和40年には既に26,000人いたことから、結果としては、昭和40年から現在までに(約50年経過)、人口は減少しながらも都市機能は広がり、結果人口密度が低下しております。

更に、平成17年をピークとして世帯数が減少し、空き家が増加することで、今後更なる都市機能の喪失が危惧されるため、今回の立地適正化計画策定から、都市機能と居住の集約を誘導により、都市機能の維持を実現しようとするものです。

 将来の世帯数の目安としては、6,000世帯としていること、下記昭和43年の世帯数が約6,000世帯であり、将来イメージとして、どのように集約していくか、様々な角度で検討してまいります。

 

※ 用途地域 ~ 土地や建物の利用方法についてルールを定めることで、無秩序な開発を防ぐもの(下記の区分では、商業系・工業系・住居系のすみわけ) 

※ 都市機能の喪失 ~ 人口密度が一定以下となると、行政効率が著しく非効率となり行政経営の悪化を招いたり、コミュニティの維持が難しくなるなど、色々な分野で悪影響を及ぼすリスク

 昭和43年都市計画図

 

 

 

 

空き家の現状

 美幌町では、平成30年に 美幌町空家等対策計画 を策定し、空き家の解体支援 など各種対策を行っております。下記空き家の内訳は、平成29年に行った実態調査結果を基に作成しており、地域によって空き家件数にバラつきあることが確認できます。

なお、本調査は前回調査から年数も経過していることから、令和5年度に改めて実施する予定です。更に(5)空き家率については、5年に1度調査される統計調査(住宅・土地統計調査)において、過去の推移を示したものですが、美幌町は近年空き家が大幅に増加しており、他自治体と比較しても、高い空き家比率になると推計しております(推計は、本委託業務受託事業者の独自推計による)。

 上記でも解説しましたが、空き家と世帯数が相関関係にあることから、美幌町は近年世帯数の減少が大きい割に、住宅数が減っていないため、空き家が増え続けている状況となっております。よって、都市計画及び立地適正化計画の両計画と、空き家対策をはじめとした住宅施策の連携が、今後のまちづくりにおいて非常に重要となります。 

 空き家1.jpg

 

  空き家2

 

 

 

 

買い物環境と空き家の関係性

 下記の図は、美幌町にある商業施設を、比較的大規模と小規模店舗に分類したうえで、その店舗からそれぞれ半径500m、300mで円を描いたものです。

500mは、高齢者徒歩圏の指標として、国から示されていることなどから分析に使用しました。

その上で、小さくて分かりづらくなっておりますが、空き家箇所を赤字でプロットしております。

 ちなみに、令和4年度に実施した町民アンケートにおいて、町民の皆さまが一番重要視されていたものは、食料品等の日常の買い物環境でした。

商業施設の徒歩圏と空き家を重ね合わせた結果として、商業施設からの徒歩圏から外れている地域において、特に空き家が多く発生している傾向にあることが確認されました。

 町民の皆さまにとって魅力ある都市機能が集約されたならば、長期的には居住誘導も自然になされることは、空き家の現状からも明らかであることから、今後の都市機能の集約においては、行政単独の取組ではなく、官民連携した取り組みがその実現に資するものと考えており、令和5年度に実施する企業アンケートなどを通じて、計画の実効性をさらに高めてまいります。

 

 買い物環境と空き家

 

 

 

 

防火地域の現状

 美幌町の都市計画の中には、仮に火事が発生したとしても、周囲の建物に延焼しない(被害が拡大しない)ように指定地域内において、耐火建築物であるなどの規制があります(準防火地域指定)。

この指定地域は、美幌駅から大通南1丁目くらいまでの商業地域周辺を位置付けています(下記図面の青枠で括られた地域)。商業地域などは他の地域と比べ、土地(敷地)いっぱいに建物を建築することができることから、火事が発生したときに周囲に延焼するリスクが高いという理由からです。

更に下記の図と表では、この規制により、エリア内外における建物の更新度合いを比較したもの(1960年前後の建物割合を比較)で、指定地域内ではその外側の地域よりも、建物の建替が進んでいないことが確認できました(建築コストが指定地域内で高いことなどが理由)。

 令和5年度の業務委託においては、現状の規制範囲の妥当性について検証を行い、その結果によって規制範囲の変更を検討してまいります。 

 

 準防火.jpg

 

 

 

 

中心市街地と沿道商業地の路線価比較

 中心市街地と稲美商業地域の路線価を比較しました。

歴史を振り返ると、昭和から平成になってから、稲美商業地域が形成される一方、中心市街地の空洞化が進み、現在は稲美商業地域が町内において最高路線価となっております。

上記の点も鑑みながら、今後どの地域に都市機能と居住を誘導していくか、検討してまいります。

 

※路線価 ~ 路線に付された固定資産税の算定において活用する1㎡あたりの評価額のことで、不動産の売買実例などから決定されます。

 

 路線価比較

 

 

 

 

 

洪水による浸水リスクと施設の立地

 今後の公共施設等の立地は、災害時の避難所にもなることから、美幌町の場合は特に洪水による浸水リスクなどを加味した立地が求められます。

上記に加えて、公共施設などの都市施設の集約と併せ、どのエリアに都市施設や居住を集約すべきか検討してまいります。

 下記の図は、想定される最大規模の洪水が発生した場合のイメージ図となります。詳しくは、こちら からご覧いただけます。 

洪水ハザードと施設

 

 

 

 

まとめと詳細版

 概要については上記のとおりですが、詳細版は下記のとおりまとめております。

  

 現況分析・課題の整理(42MB)

 

 分析結果まとめ(398KB)  

 

 

 町民アンケート調査と上記分析に加えて、令和5年度に実施する追加調査(企業アンケート調査・準防火地域調査)によって、将来の美幌町都市計画を策定してまいります。

 令和5年度からは、説明会も実施する予定ですが、必要に応じたご対応も随時予定しておりますので、下記担当までお問い合わせいただきますようお願いします。

 

 都市計画と立地適正化計画の全体ページは、 こちら から

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お問い合わせ

建設課
都市整備グループ
電話:0152-77-6551
ホーム くらす 行政 学ぶ・楽しむ 観光・魅力