◇ 如月
  皆様ご承知のとおり、如月は2月の別称です。由来は、寒さで着物を重ねて着ることから「着更着(
 きさらぎ)」とする説が有力とされています。ほかに、草木が生えはじめる月で「生更木(きさらぎ)」
 とする説、また、草木の芽が張り出す月で「草木張り月(くさきはりづき)」が転じた説もあるようで
 す。(語源由来辞典)


 ○ 年間で一番寒い月は2月なのか?
  他の月には「着更着」のような意味する別称はありません。そうすると、2月が年間で一番寒い月と
 考えられますが、実際のところどのようになっているのでしょうか。
  気象庁の過去30年間のデータから12月から3月までの月別平均気温で比較してみました。すると、
 北海道も東京も1月が一番寒いことになっています。

地域  月 気 温 気 温  月 地域


12月 −1.9  8.7 12月

 1月 −5.4  6.1  1月
 2月 −4.7  6.5  2月
 3月 −0.9  9.4  3月
上記のデータでは、北海道全体の月別平均気温です。
−10度を超える美幌では納得納得できないと思います。

  データの記載は省略しますが、青森、大阪、広島、鹿児島も同様に、それぞれの月別平均気温の比較
 では1月が一番寒いという結果でした。このことから、月別平均気温の比較では、北海道から鹿児島ま
 で、一番寒い月は1月といえそうです。
  私が2月が一番寒い月だと思っていたのは、極端に寒い日が多いという感覚的な意識によるのかもし
 れません。
  おりしも、平成30年1月は、最大級といわれる寒気に2度も見舞われ、特に、1月23日(火)か
 らの寒気は、都心はもとより、極めて雪の少ない地域や日本海側の地域などに大雪、交通障害など、大
 きな影響をあたえました。



 ○ 椿・スイセン・寒桜・梅
  1月初旬の東京は、椿は枯れはじめ、スイセンや寒桜はすでに咲いていました。また、梅は蕾をもち
 はじめていました。一般的に、梅の開花時期は2月から3月といわれていますので、当然のことなので
 しょう。とはいっても、流氷の到来が話題になる道産子感覚では、梅の蕾を見ただけでも、感動してし
 まいました。
  北の大地の2月は、命の危険にさらされる猛吹雪や連日の降雪に見舞われてしまいます。厳しい寒さ
 と捨て場のない雪は「もうたくさん」という思いで一杯ですが、今年の1月下旬は全国的に猛烈な寒気
 による猛吹雪や大雪に襲われてしまいました。
  春に向かって一歩一歩進んではいるのでしょうが、積雪10cmもあった東京では、梅の開花が遅れ
 るのかもしれません。


 ○ 梅は咲いたか
  「うめは〜 さいた〜か♪、さく〜らは、まだかいなァ・・・♪」と唄う、『しょんがえ節』を基に
 した江戸の端唄(はうた)です。恐らく、年齢の高い方は耳にしたことがあると思われます。恥ずかし
 ながら、私は、「桜の開花を待ちわびる」粋な唄だと思い込んでいましたが、実は違っていて、花柳界
 の芸妓さんたちを季節の花々などに例えて唄っているのでした。この唄に登場する花は、梅、桜、柳、
 山吹で、梅は若い芸妓さん、桜はその上の姐さん、柳はゆらゆらと移り気、山吹は実を結ばない浮気性
 といった意味を含んでいるそうです。この唄の最後の歌詞に辿り着くと、「吉原へご案内」というのが
 出てきますので、なるほどそうか、と思いました。
  このようなことを書いていると、ジェンダー論(社会学者)の上野千鶴子先生の格好の標的になって
 しまいますが、「イケメン」のように直接的なことばよりも、一人の女性を「立てば芍薬(シャクヤク)
 座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と表現するのともやや違いますが、遊び心のあることばの使い方に江
 戸の洒落、粋を感じてしまいます。
  10年ぶりに改訂した『第7版広辞苑』(岩波書店)には、「ツイート」「朝ドラ」など厳選した1
 万語が追加されたとのことでした。時代の変遷に伴い登場することばはともかく、「やばい」のように、
 ことばの意味の変化には抵抗感を抱いてしまいます。言語学者の金田一先生によれば、「ことばは、時
 代によって変わっていくもの」といいます。移りゆく流れに乗りきれないのは、私の老化と頑固さに由
 来するのかもしれません。


 ○ 「桜咲く」
  東大安田講堂に全学連が立てこもり、昭和44年(1969年)3月の東京大学の入学試験はありま
 せんでした。私も受験生でしたが、この時代は、合否の結果は誰もが見に行けるような時代ではないの
 で、大学生が受験番号を確認して、遠隔地の受験生に電報で知らせてくれることが一般的でした。この
 年の私の受験結果は、「サクラチル」でした。サクラチルは不合格の意味です。受験生の誰もが、希望
 の春となるよう「サクラサク」の報を待っていました。受験生の合否を意味するところは同じでも、「
 サクラ」を用いることで、伝える側、伝えられる側の心にも配慮された、かつ、桜の花の持つイメージ
 や季節感が加味されているように思われ、ことばの使い方に趣や洒落を感じます。
  2月は受験シーズンのはじまりです。図書館で受験勉強をしていた皆さんはもとより、美幌の子ども
 たちを含め、「サクラサク」の報が多くの受験生にもたらされ、桜が満開になればと願っています。
  2月3日(土)は節分です。豆をまいて邪気を祓い、福を迎え入れることも・・・。



 ○ 節分

  節分は季節の変わり目を意味し、立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれの前日を節分としていました。
 特に、年の変わり目が尊ばれ、立春(2月4日頃)は旧暦の正月に当たり、その大晦日(2月3日)が
 節分として残ったようです。
  古代中国では、「鬼やらい」といって、鬼の面をかぶった人を弓矢で追い払う儀式(奈良時代に日本
 に伝わり、平安時代に宮中行事となった)と、春夏秋冬の節分に行われていた「方違(かたたがえ)」
 の行事で行われる「豆打ち」という儀式が合わさったものが節分の由来で、室町時代から始まり庶民の
 行事となったのは江戸時代といわれています。
  鬼は姿が見えないもの、この世ならざるもので、得体のしれない邪気を表し、災害や病気などの悪い
 ことはすべて鬼の仕業と考えられていました。また、穀物は邪気を払う霊力があると考えられており、
 大豆も五穀の一つであり、お米に次いで穀霊が宿っていると考えられていました。なぜ、豆を炒るのか
 といえば、まいた豆から芽が出ては縁起が悪いということで芽が出ないようにするためだそうです。
  豆を炒るには、前日に大豆を升に入れて神棚におき、節分当日の夕暮れ前までに大豆を炒り、再び神
 棚においておき、その夜に豆まきを行います。なぜ夜かといえば、邪気が集まるからです。豆をまくと
 きには、鬼を追い出し、福を入れることから、窓や玄関を開けてまきます。まく人は、家長ですが、年
 男・年女、厄年の人がよいといわれています。年男や年女は縁起がよく、邪気を払う効果が強いのだそ
 うです。厄年の人は、自分の厄払いにもなります。
  正式な方法での節分も大切ですが、「邪気を払い、福を呼ぶ家庭の行事」として、家族がそろって楽
 しむこともとても大切なように思われます。



  図書館では、鬼の顔などを描いた「飾り巻きずしやデコちらし」など、節分の日の団欒をより楽しく
 することができる本や、2月14日のバレンタイン・デイコーナーもあります。皆様のご来館をお待ち
 しております。

  


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*館長から一言*