

このあいだまで美しく紅葉していた木々も、葉を落としだしました。雪虫も町のあちこちでフワフワと漂っています。 もうすぐ冬が来るのですね。 先日、雪虫がいっぱい幹にくっついている樹木を見つけました。 面白いことに、周囲にも木はたくさん生えているのに、雪虫が集まっているのは、この木だけです。 その木の名前はヤチダモ。 雪虫(トドノネオオワタムシ)たちは、産卵場所であるこの木をめがけてフワフワ飛んできていたのです。 そして、ヤチダモの幹に卵を産んだ彼女たちは、そこで生き絶えたのでしょう。 雪虫の長い旅の終わりです。 |
![]() 雪虫がついているヤチダモ |
![]() たくさんの雪虫たち |
1)雪虫がヤチダモの幹に産み付けた卵は、翌春に孵化する。 この幼虫は、全てメス。 彼女たちはその後、ヤチダモの梢でたくさんの子虫を産む(←卵ではなくて、子虫を産む)。 |
2)生まれた子虫はヤチダモの葉に寄生する。 寄生された葉はちぢれ、子虫はそのなかで育つ。 そして成虫になると翅がはえるので、トドマツを求めて旅にでる。 めでたくトドマツに到着したら、地面付近で子どもを産む。 |
3)生まれた子虫はトドマツの根に寄生したい。 運良くアリに見つかるとアリの巣穴に運んでもらえるので、そこにあるトドマツの根にたどりつける。 そして、そこで翅がない成虫になり子虫を産み、成長するとそれがまた子虫を産み、、と世代交代をして増えていく(だからトドノネオオワタムシ)。 |
4)そのうちに秋になると、翅がある成虫がでてくる。 またこの時点でようやくオスとメスが出てくるので、交尾して受精卵ができる。 翅が生えた成虫はトドマツから飛び出して、フワフワとヤチダモを目指して旅をする(←これが雪虫!)。 そして、ヤチダモにたどりついたメスは、その幹に受精卵を産んで死んでいく。 |
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・・・なんて面倒くさい!といったら、雪虫に怒られますね。 確かに、受精卵は寒さに強く、一方で卵ではなく子虫を産むことで効率よく増えることができるということですから、1年のあいだに、子虫を産む世代と受精卵を産む世代が発生するのは利に適っていると思います。 でも、どうしてわざわざヤチダモとトドマツのあいだを旅するのでしょう。 目的の樹木にたどりつけずに死んでしまうものも多いことでしょうに。 |
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ヤチダモにたどりついた雪虫はごく暗い灰青色の体にフワフワの白い綿毛をまとい、ピンと翅をのばして、幹をトコトコと歩いています。同じ幹には雪虫がビッチリと集まって死んでいる箇所もあります。 きっとこの木では来春も子虫が生まれて旅が始まるのでしょう。 こんな雪虫の旅の終わりを見た後は、まちなかで飛んでいる雪虫に「がんばってヤチダモまでたどりつくんだよ~」と願ってしまうのです。 ところで、夏、ヤチダモからトドマツへ飛んでいく姿は見たことありません。今度は気をつけていたいと思います。 |