企業立地意向調査の結果

2024年4月11日

 

 美幌町には、商業地域に大型スーパーをはじめとした商業施設や、工業地域に農業関連や運送業などの工場が立地しています。

基幹産業である農業や林業と関連した企業進出が、市街地には国道3本が横断し、オホーツク地域の交通の要衝であることから、見受けられるところです。

また、令和5年4月にワーキングスペース「KITEN」が美幌みどりの村敷地内にオープンしました。

 これらのことから、今後のまち全体の土地利用のあり方、自然豊かな環境を活かしたテレワークやワーケーションによる施設利用を足掛かりとした新規立地のニーズを把握するため、アンケート調査を行いました。 

 

調査対象の考え方と回収結果

調査対象の考え方 

 現在策定中の都市計画マスタープランと立地適正化計画の方針から、商業系300社と工業系300社を対象に、アンケート調査を実施しました。

 商業系企業は、まちなかでの買物環境の充実やにぎわい創出につながるよう、小売業や飲食業などでチェーン展開している事業者を対象にしたほか、恵まれた自然環境や女満別空港との近接性を背景にワーケーションなどによる関係人口の拡大も期待されるため、大手国内メーカーやIT企業も対象に含めました。

 工業系企業は、基幹産業と関係性の深い食料品製造業や本町の森林認証と連携が期待される製造業のほか、物流拠点、データセンター、コールセンターも対象にしました。

 

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アンケートの回収結果

 商業系企業300社、工業系企業300社を対象にアンケート調査を実施し、全体で58社から回答がありました。有効回答率は、9.7%となりました。

 

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調査結果の概要

 調査結果の概要について、項目ごとに解説します。

 

回答企業の属性

 製造業が44.8%と最も多く、次いで卸売・小売業の34.5%となり、2業種で全体の8割を占めています。

 

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事業所立地の意向(美幌町外も含む)

 今後の事業所立地意向(新設または移転)の意向をみると、「全く考えていない」が70.7%と最も多く、次いで「検討している」が22.4%、「将来的には可能性がある」が6.9%となっています。

 

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検討している施設と理由(美幌町外も含む)

 今後の事業所立地の意向について、「検討している」または「将来的には可能性がある」と回答した企業に、立地を検討している施設について尋ねたところ、「販売店舗」が62.5%と最も多く、次いで「倉庫・物流施設」が12.5%となっており、「工場・生産施設」は6.9%にとどまっています。

 

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 事業所立地を検討している理由は、「事業規模の拡大」が88.2%と9割近くを占め、他の項目では、「既存施設の老朽化」が17.6%と比較的多い結果となりました。

 

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立地に必要な面積(美幌町外も含む) 

 立地に必要な面積は、「1ha未満」が64.7%と最も多く、次いで「1~3ha」が23.5%となっています。交通手段として車が定着することで、駐車場含めた施設の大型化が進んでいる傾向にあるものと思われます。この結果は、今後の土地利用規制の変更(用途地域)の参考にする予定です。

 

施設に必要な面積.jpg

 

立地条件(重視すること)(美幌町外も含む)

 新規事業所の立地先を選定する際に重視する条件を尋ねたところ、「人材・労働力の確保」を掲げる回答が57.9%と最も多く、次いで「商圏としての魅力」が52.6%となっており、これら2項目が回答の中心となっています。近年の労働力不足が、アンケート結果へ反映された形になっています。

 

立地条件.jpg

 

立地先としての美幌町の評価

 美幌町が新規事業所立地(新設・移転・テナント入居など)の候補地となりえるか尋ねたところ、「候補地となりえる」や「条件によっては候補地となる可能性がある」といった前向きな評価をする回答は、10.4%となりました。

 

美幌町の評価.jpg

 

 

 美幌町の森林認証制度、カーボンオフセットなど、森林資源を生かした取組に対する評価をみると、「大変関心がある」や「多少関心がある」といった肯定的な評価をする回答が58.2%と半数を超える結果となりました。

 

森林資源活用の取組.jpg

 

 環境保全学習・チームビルディング強化等を目的としたワーケーションの取組に対する評価をみると、「候補地となりえる」や「条件によっては候補地となる可能性がある」といった前向きな評価をする回答が45.4%となりました。令和5年4月にオープンしたKITENの取組と繋げて、企業との連携強化を図ってまいります。

 

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アンケート結果のまとめ

 アンケート結果から、今後の新規立地の意向をみると、「検討している」または「将来的には可能性がある」と前向きな意向を示す企業は約3割となりました。

 商業系と工業系に分けて、その意向をみたところ、商業系企業は「検討している」または「将来的には可能性がある」とする回答が半数近くを占めているのに対して、工業系企業は「全く考えていない」が約9割を占めており、商業系企業と工業系企業で考え方が異なる状況となりました。

 

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 次に、将来的な可能性も含めた新規事業所立地(新設、移転、テナント入居等)としての美幌町の評価について、商業系企業と工業系企業に分けて、回答結果を見ると、「候補地となりえる」または「条件によっては候補地となる可能性がある」といった前向きな評価は全て商業系の企業となりました。

 

業態別評価.jpg

 

 

 最近の立地に係る大きな課題として、建築コストの上昇が挙げられる一方、単に新規立地することにとどまらず、地元自治体に対しては、地方創生をはじめ企業との連携した取組も求められていることが明らかとなりました。

 今回の調査結果を基に、必要な都市計画上の変更を行うとともに、企業誘致活動につなげてまいります。

 詳細の報告書は、以下からご覧ください。

 

 

 美幌町企業立地意向調査報告書(R5実施).pdf(839KB) 

 

 

 

 

 

 

お問い合わせ

建設課
都市整備グループ
電話:77-6551
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