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オホーツク地方の美術は、この地域の風土と深く関わりながら作り上げられました。湖や森・海・流氷といった特有の自然、そして人々の営みを題材に制作した作家たちは、それぞれに、時代に沿った個性的な表現方法を獲得していきました。
当館は、美幌町にゆかりのあるものを中心に、約2,600点にのぼる美術作品を収蔵しています。その内容は、絵画や彫刻・版画・写真など多岐に渡ります。 展示室は、「美幌町ゆかりの作家たち」「オホーツクの作家たち」「名品コレクション」の3つのコーナーに分かれており、選りすぐりの作品をご覧いただけます。
1 納 直次(おさめ なおじ)1910(明治43)年 ~ 1996(平成8)年
美幌・網走・北見の小中学校で教員として勤務するかたわら、画業に取り組み続けました。
美幌をはじめとする道東地方や石狩地方の風景を題材に、不透明水彩を用いた表現を追求しました。
納直次《花》制作年不詳、水彩・紙
2 岸本 裕躬(きしもと ひろみ)1937(昭和12)年 ~2011(平成23)年
幼少期から16歳まで美幌に居住していました。生涯を通じて、電車の乗客や床屋の様子といった街の人々を多く描きましたが、晩年には虫や植物などを題材に選ぶことが多くなります。それらの作品は、美幌で昆虫や植物と間近に接した子ども時代の記憶を再び見つめ、描かれたものです。
岸本裕躬《菌類湿原》2003(平成15)年、油彩・キャンバス
3 横森 政明(よこもり まさあき)1927(昭和2)年
オホーツク地方の美術を先導した居串佳一に師事し、絵画制作を学びました。美幌の図書館などで勤務し、生活を送る中で、多くの作品を制作します。作品は町内の学校でも展示され、広く親しまれています。
横森政明《馬と人と(B)》1966(昭和41)年、油彩・キャンバス