本文
美幌町で定める都市機能誘導区域内に、誘導施設を集約し、併せて誘導施策を実行することによって、まちのコンパクト化を図ります。
誘導施設とは、商業や金融、医療や福祉など、すべての町民が将来にわたって利便性を享受し、健康で快適にくらしていくために必要な機能で、「第5章都市機能誘導区域の設定」で設定した都市機能誘導区域への積極的な誘導や維持を図っていくべき施設です。
誘導施設の検討にあたっては、国交省が定める都市計画運用指針に定められた施設に加えて、地域のコミュニティ活動を支える集会・交流機能を加えた8つの都市機能により設定します。
また、誘導施設は3種類に分けた都市機能誘導区域における役割と現在における施設の充足状況に留意しながら、居住者の利便性や町民生活に与える影響、まちの魅力づくりなどの観点から検討し、機能の維持や転出を抑制すべき施設と、新たに立地を誘導すべき施設を対象とします。
計画の基本方針における「課題解決のための誘導方針・施策の方向性」に基づき、居住誘導区域・都市機能誘導区域における取組を推進するため、具体的な施策を整理します。
・未利用状態の町有財産については、売払及び貸付等を積極的に進めます。また、民間所有等の未利用地については、休廃止時に誘導施設設置者に課される届出制度をはじめ、民間事業者との連携の下、有効な利用促進策を検討します。
・立地適正化計画で定める居住誘導区域外のうち、住居系用途地域の将来の土地利用のあり方については、周辺土地との一体性など、それぞれの地域特性を踏まえて、用途地域の見直しなどの検討を行います。
【関連計画・事業】美幌町財政運営計画
・発生抑制に向けては、安心・安全・快適に暮らし続けていけるための住宅リフォーム・耐震改修、店舗改修を支援します。
・利活用に向けては、「北海道空き家情報バンク」の活用促進のほか、空き店舗を活用した家賃補助、除去後の跡地活用への支援策を民間事業者との連携の下、検討します。特に新築住宅は、未利用地の取得促進として、空き家を除却後に新築される場合に、除却費用の上乗せ支援を行うなど、誘導区域内への誘導を見据えた既存制度の見直しなど制度充実を検討します。また、中心市街地の空き店舗等の除却については、跡地利用として、商業施設の立地促進のほか、緑化などによるコミュニティ醸成を図られるような活用策を検討します。
・「準防火地域」については、防火対策に要する費用増を懸念し新築が進まない状況を踏まえ、居住誘導区域への建て替えや居住誘導を促進するため、住居系用途地域における地域縮小を検討します。更に、誘導区域設定を契機に、一部の商業系用途地域の住居系用途地域への見直しと準防火地域縮小を検討します。
【関連計画・事業】美幌町空家等対策計画、各種リフォーム等助成事業、北海道空き家情報バンク
・産業振興及び雇用拡大を図るため、工場・宿泊施設などの増設・移設企業に対し、設備投資などに係る支援を行います。また、地域課題に合致する地域産材や空き店舗の利活用などの支援策についても検討します。
・稲美地区の国道243号沿線については、ポテンシャルを最大限に活かすよう、比較的大規模な商業・業務系施設整備に適した敷地を確保できる用途地域界への再設定と、民間商業施設の企業誘致を検討します。
【関連計画・事業】美幌町企業立地促進条例
・商業施設や金融施設等の立地に向けては、官民連携による市街地再開発事業による施設整備の導入を図り、中心地の土地の利用促進や町民ニーズの高い誘導施設の整備を推進するとともに、開業医支援制度をはじめ、既存制度の見直しなど民間誘導施設への支援制度を検討します。
【関連計画・事業】都市再生整備事業<外部リンク>、都市構造再編集中支援事業<外部リンク>
・誘導施設となる公共施設については、耐震化を推進し、建て替えの際は、多機能化や複合化により再編・集約を行います。また、滞在空間の創出のため、公園や緑地等の整備も併せて検討します。
・公共施設を新設する際は、原則Zeb Ready相当(50%以上の省エネ)を目指し、施設整備にあたっては、エリア価値の向上や賑わい創出を見据えた、Pfi等民間活力導入も検討します。
【関連計画・事業】美幌町公共施設等総合管理計画、美幌町地球温暖化防止実行計画
・「移住定住情報サイト」を通じた情報発信により、移住体験や起業家育成、新築住宅やリフォーム費用の支援、出産・子育てに向けた支援・体制づくりを構築します。また、空き家を利活用した移住体験住宅への改修支援により、移住体験者の増加と空き家の利活用促進、将来の移住者増加へ繋げていきます。
【関連計画・事業】美幌町移住定住情報サイト<外部リンク>
・民間住宅との役割分担の下、低廉で良質な公営住宅等ストック形成に向け、老朽化が進む住棟の建替えや用途廃止を進めます。検討にあたっては、入居者の高齢化等を鑑み、誘導区域に加え、生活利便性などを考慮します。
・入居者の高齢化や家族構成の変化による住宅の間取りと入居世帯のミスマッチを抑制するため、家族向け住宅の有効活用に向け、単身になった場合の住み替えを新たな条件にするなどの住み替え支援策について検討し、誘導区域内の人口増加を図ります。
【関連計画・事業】美幌町住生活基本計画、美幌町公営住宅等長寿命化計画
・高規格・広域・都市内幹線道路による道路網構築を図るため、関係機関への要望含め、整備・促進を図ります。
・ウォーカブルな環境づくりに向け、歩道整備を重点的に推進します。また、街路空間の再構築については、滞在空間創出のため、歩行者利便増進道路制度の活用など、歩行者利便増進空間整備を検討します。
・市街地内の橋梁については、「予防保全型」により、点検・補修等を推進します。関連計画は、誘導区域設定後に、改めて整備の優先順位等を検討します。
【関連計画・事業】町道整備計画(中期的計画)、美幌町橋梁・トンネル長寿命化修繕計画
・デマンドバス「もーびー」について、町民要望を踏まえた運行時間や運行区域拡大など、柔軟な運行を検討します。
・運転手不足によるバス路線の縮小や廃止などを抑制するため、運転手確保支援策の充実や新しい決済サービス技術導入の研究・検討を推進するとともに、路線及び運行の効率化を検討します。
【関連計画・事業】美幌町地域公共交通計画
・地震発生時の住宅倒壊等の対策として、耐震診断・設計・改修工事に要する費用を支援します。また、空き家の利活用支援については、耐震化を要件化します。
【関連計画・事業】美幌町耐震改修促進計画
・河川管理者である国、道との連携強化により、整備要望をするとともに、町が管理する内水用排水ポンプの維持管理を推進します。また、誘導区域外の土地の利活用策として、植林による治水対策も検討します。
・崩落危険箇所等の調査、診断結果に基づき、所有者へ指導を行います。
・浸水が想定される地域における施設整備にあたっては、浸水対策も十分検討します。
【関連計画・事業】美幌町強靱化計画、美幌町地域防災計画
・美幌町Web版防災マップを適宜更新し、内水氾濫ハザードマップの作成を検討します。
【関連計画・事業】美幌町強靱化計画、美幌町地域防災計画
・内水氾濫における備えとして、避難所等の防災上の重要な役割を果たす施設については、安全性の確保とともに機能維持に向けた設備の浸水対策を十分検討します。
・洪水浸水想定区域に都市機能施設を整備する際は、水防活動に必要な水防資機材の備蓄を推進するとともに、機能維持に必要な設備については可能な限り浸水の及ばない階層への設置を検討します。
【関連計画・事業】美幌町強靱化計画、都市再生整備事業<外部リンク>、都市構造再編集中支援事業<外部リンク>